ただのキャップを被れない男の話。

帽子を買いに行った。


実は今まで帽子とは無縁の生活だったのだが、まだまだ暑い日が続くということもあるし、最近はオシャレでファッショナブルな帽子が多いため、30代のファッションリーダーの俺としては、やはり普段のコーディネートにも取り入れるべきだろうと思ったからである。

 

少し調べたところによると、若者の間では「ニューエラ」という帽子・・・オシャレ的にいうところの「キャップ」が流行っているようだ。

調べてみると、色々な企業とコラボしたキャップが多く、カッコいいものや可愛いもの、はたまた奇抜なものまで幅広いデザインで商品展開をしているようであった。

 

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これなら若者に人気になるのも納得である。

「俺もニューエラのキャップが欲しい」

そう思った俺はすぐさま取り扱い店舗を探し、そのお店に行ったのであった。

 


お店に着き、様々なデザインのニューエラキャップを「ほうほう」と見ていると、いくつか気になったものがあった。

「これを俺が被った暁には、女性達が下着を脱ぎだすに違いない、がっはっは」

そう思えるほどカッコいいデザインのキャップだった。

だがここで重大な問題が発生した。

「カッコいいなあ」と思うものを見つけては、その都度被ってみるのだがすべてが小さいのである。

その小ささといったら、”フリーサイズ”のものまで頭に入らないレベルだ。
どれも”頭に被る”というより、”頭に乗せる”といった感じになってしまっていた。
フリーサイズが全然フリーではない、という初めての経験である。

「俺が知らないうちに帽子というものは、”被るもの”から”乗せるもの”になったのだろうか?」

そうでなければ、納得できない小ささだった。

あまりにも被れないため、「なんなのよ!ニューエラって小人専門のお店なんじゃないのかしら?!」とおネエのように憤慨していると、そのプンスカ具合を遠くから見ていたのであろう店員が話かけてきた。

 

俺がその店員に「自分に合うサイズがないのですが」ということを尋ねると、では頭のサイズを測ってみましょうということになった。

店員はすぐさま特殊なメジャーのようなものを取り出し、俺の頭のサイズを測ると、
「ろろろろろろろ、64.5・・・・・・あわあわあわわわ・・」と、まるで初めて火を見た原始人のようにとても驚いた顔をしていた。

何やら一般的な成人男性の頭のサイズは58~60㎝、大きくても62㎝ほどだそうである。

そんな中で想定のしていなかった64.5㎝のビックボーイの登場だ、それは驚くだろう。

思えば、確かに俺って頭デカいのかも、と思ったことはこれまでの人生で2、3回ほどあった。

そのときは深く考えずに、そのままうやむやにしていたのだが今回は違った。

それを数値化され、「お前の頭はでかいよ」と現実に突きつけられたのだ。

これが想像以上にショックであった。

 

そしてそれ以上にショックだったのは、ニューエラのキャップというものは大きくても63㎝のものしかないそうだ。

そりゃあ、どれも小さいはずだ、被れるわけがない。

さらには、このお店で取り扱っている他のメーカーのキャップも最大で63.5㎝のものまでだそうである。

 

「俺はキャップを被れない・・・」

衝撃の事実であり、受け入れられない現実。

キャップが被れないなんてファッションリーダー失格だ。

こんな無様な姿、takaニスト(takaのファッションに憧れて真似する人達)の奴等には到底見せられたものではない。

 

そんな膝から崩れ落ち唖然としている俺の姿を見て、店員が

「63㎝のものでも、使用しているうちに多少広がったりしますので・・・」

「キャップはしっかりと被るというより、頭に乗せる感じで使用されるお客様も多いんですよ・・・」

と必死にフォローをしてくれたのだが、逆にとても悲しくなってしまった。

 

どうやら”ニューエラ”とは「新しい時代」という意味があるそうだ。

おそらく、立ち上げた当初は64.5㎝のビックヘッドの持ち主が出てくるなんて思ってもなかったのだろう。

しかし、こうして現実に現れた今、ニューエラは”ニューニューエラ”・・「もっと新しい時代」に突入し、64.5㎝用のキャップを作るべきである。


とりあえず、これを読んだニューエラの関係者はお詫びとして63㎝でもいいのでキャップを大量に送って頂きたい。

「そうすれば、今回のことは水に流すよ」

そうtaka氏は言っているそうだ。