ただのスカイダイビングの話

友人に誘われスカイダイビングに行ってきた。


3万円という高額費用に最後まで参加をためらっていたのだが、
ネットで体験者のコメントを読んでいると、
みなが「飛ぶと人生観が変わる」と書いていたので
どのように変わるのか気になり、参加を決めた。

もしかしたら風圧で瞼がくっきり二重になり、
顔もシャープになって、地上に降りてきたときには
俺の顔は、伊勢谷友介のように凛々しい男になっているかもしれない。
もしくは山崎賢人のように
可愛い系になっている可能性も十分にあるだろう。
このようなことになれば、
まさに人生観が変わったといってもいいだろう。


スカイダイビング場につくと、さっそく講習が始まった。

公式サイトには
「初心者安心、じっくり講習、不安がなくなるまで教えます!」
ということが書いてあったのだが、実際は
俺よりも年齢が若いであろう茶髪にピアスのいけいけのお兄さんが

「飛ぶときはアゴあげる、
飛んだらエビぞりになって肩叩いたら手を広げる感じで、よろしく」

と言うだけの講習であった。
本当にこれだけで終わった。
俺が死を覚悟した瞬間でもあった。

その後、ものすごく小さいセスナに20人ほど詰め込まれ、
いよいよ空に旅立つことになった。

セスナ内は狭いこともあり、
後ろの人が足開いて、その開いた足の中に人が入り、
またその人が足を開くというような形になっていたのだが、
もちろん参加者には女の人もいるわけで、
その人を股の間にいれているラッキーボーイも何人か見受けられた。
ちなみに俺の股の間に入っていたのはおじさんであった。


10分、15分経っただろうか。
これからいよいよセスナからダイビングというところで
衝撃のアナウンスがされた。

「上空の風が強いため、一度地上に戻ります」

その後、地上に戻り1時間ほど待機したのだが、
上空の天候が思わしくないようで、そのまま中止になってしまった。


結局、俺の初スカイダイビングは
股の間におじさんを入れる苦い思い出だけで終わった。