ただの小さな幸せがあった話

納涼会の幹事のため、
同じく幹事の女性2人と食料品や景品などの買い出しに行ってきた。

買い物に行くのが仕事が終わった後なうえ、
目的の場所までが遠く、
「めんどくせえ」とすごく行くのが嫌であった。

車で40分ほどかけ、目的のお店に着くと、
案の定、俺はただ買い物カゴを持ち、
「これがいいんじゃないかしら」
「いや、あれのほうがいいかも」
「いやいや、あれが・・」
という女性陣の会話を後ろでフムフムと聞いているだけという、
荷物持ちポジションであった。

勘違いしないで欲しいが、この女性2人が俺より年上なので、
”人生の先輩をリスペクトする”という意味で今回はこのような
マスオさん的な立ち位置に甘んじているだけだ。
本来であれば俺が女性を先導し、
「あれだ!」「これだ!」と買い物カゴをぶん回しながら
買い物を勤しむという素敵でダンディで常に物事を
リードすることのできる男である。

さて、ここまでの話を聞くと、
さぞやつまらない買い出しだっただろうと思われるかもしれない。

確かに買い物をしている間は、会話という会話は
時々、女性陣が俺に「どう思う?」と意見を問うくらいのものであったが、
これがなぜだかすごく楽しいひと時であった。

なんと言っていいのかよくわからないのだが、
女性との買い物に一緒にいるだけで楽しいというか、
食材やら商品やらを選んでいる女性の姿がなんか良いというか、
買い物中のどうでもいい会話がすごく楽しいというか、
結婚してる人はこんな感じで毎回買い物してるんだろうなあ、というか、
そういう色々な思いが溢れてきて、
途中、なぜだかすごく切なくなってきて泣きそうになった。

 

おそらく、今まで経験のないことだったので、
すごく新鮮に感じただけなのかもしれないが、
こういうものを”小さな幸せ”と言っていいのだろう。


買い物が終わり、帰路につく車の車内から
真っ暗になった外を眺め、俺は強くこう思った。

「結婚してえ」

なんだか不思議な1日となった。