ただの間違いは正す話

友達とご飯を食べてきた。

 

その場には女の子もいて、
俺が「最近、激務続きで肩がこっている」と発言したところ
「じゃあ、私がマッサージをしてあげましょう」と言ってくれた。
なんというヤサシイ女性であろうか。

彼女の見た目は、細く、いかにもか弱そう女性であるため
さぞや優しく肩を揉んだり、叩いてくれたりするものだと思いきや、
俺の後ろに回ると腕を天空に高らかに上げ、バコッ!バコッ!バコッ!と、
28年生きてきて聞いたことのない音が聞こえるほど強力に肩を叩いてきた。

俺に相当な恨みでもあるのか、それとも
お茶目で天然系の女性なのでもしかしたら
俺の肩を太鼓と勘違いしたのかもしれない。

「どう?気持ちいい?」

「・・・う、うん」

と、いう会話を交えながら数分間全力で肩を叩かれ続けた。


マッサージが終わる頃には、
プロ野球の投手ならば野球生命が絶たれるほどの重傷を肩に負っていたことは
もはや言うまでもなかろう。

さすがに、この過剰なマッサージに
”埼玉一温厚”と言われる俺も頭にきてしまった。
わざとではないにしろ、
ここで彼女にしっかり言っておかないと、
このマッサージによって、他にも多大な被害者がでることだろう。

俺は女性にはヤサシイことで有名だが、
女性とあれど、間違ったことにはビシッと言う
熱いハートも持ち合わせた男だ。

「ここはビシッというべきだな!」

これは彼女の為でもあるのだ。
時には泣かせてしまうこともあるだろうが、
間違いはしっかり正さなければならないのである。

 

俺は「ふぅ」と一息吐くと
彼女の顔をキリッと見つめ、

 

 

「ありがとう、すごい楽になった!」と
満面の笑顔でそう伝えた。