ただのクレイジーなやつの話

今日は、2歳の甥っ子が遊びに来た。


一緒に母が買ってきたイチゴのショートケーキを
食べようと思い、フォークを渡すと
「らー!」という叫び声と共に、ケーキではなく
俺の右手に勢い良くフォークを刺してきた。

確かに俺の右手はとても可愛らしく美味しそうではあるが、
まさかケーキと間違えられるとは思ってもなかった。
プラスチックのフォークだったので大丈夫だったが、
本格的なフォークであったら間違いなくイチゴよりも赤い
鮮血でケーキを真っ赤に染めていたであろう。
相変わらずのクレイジーなやつである。

さらには甥っ子はイチゴが好きなようで
自分のケーキの上のイチゴだけでは飽き足らず、
俺のイチゴを指差し「これもたべりゅ」と欲しがってきた。
心優しく甥っ子思いの俺は、
「まあ、イチゴくらいいいか」と思い、「はい」とケーキごと渡すと
イチゴを食べるどころか「次はお前がこうなる番だ」と言わんばかりに
ケーキをぐちゃぐちゃにしだし、「もういらにゃい」と返してきた。

ついさっきまでとても綺麗な形をしていたケーキは
甥っ子の手によって、早朝の駅に落ちてそうなやつに形を変形させていた。

まさか人生で、早朝の駅に落ちてそうなやつを
食べることになるとは思わなかった。
もちろんケーキに罪はないし、形は変われど味だってケーキそのもののはずだ。
俺は涙ながらに「おいしいねえおいしいねえ」と食べたが、
一部始終を見ていた母がなぜだかとても悲しそうな眼で俺を見ていた。

こんな甥っ子のクレイジーっぷりは、いつになったら終わるのだろうか。