ただのtakaさんにお願いの話

mixiをやっていた頃に
知り合った出版社の男の人からメールがきた。
数年ぶりだというのに「こんにちは。」という
簡単な挨拶一行で済まされ、一体なんだろうと思ったら
「実はこの度、takaさんにお願いがありメールしました」と書いてあった。

 

勘のいい俺は、
この時点ですべてを察した。
「これはブログの書籍化だわ」と。
どこかで俺がブログを秘密裡に書いていることを嗅ぎつけたに違いない。

 

アクセス数が少ないとはいえ、今の今まで光が当たっていなかっただけで、
俺の才能というものは、どうしても光に当たってしまう運命なのだろう。
いや、光に当たるというより、光が俺の才能を欲しているといったほうが正解か。
だが、残念ながら無名の出版社からのオファーはノーである。

 

本来であれば、このようなメールは即ゴミ箱行きであるが、
知り合いを大切にする優しい俺はここで読むのを止めたりせず、

「まあ、今の世の中ブログ本みたいなのは売れないっていうけど、
あえてそういう本を出そうとする企業の姿勢は素晴らしいよね」

「いやいや、もしや全編書き下ろしとか・・?えー、書けるかなあ」

「あ、それとも発行している雑誌に急に空きができてしまって
コラム一本書いてほしいとか?参っちゃうなあ」

「いや、でも俺、一文字二万円からよ?」

と考えながらも、読み進めていくことにした。

 

しかし、どうだろう、そのメール内容というのは、
書籍化でもなければ、コラムのオファーでもなく、
「●●市でゆるキャラを作ってネーミングを募集してるのだけど、
全然集まらないから、応募しませんか?」というものであった。

 

そして最後にこう付け加えられていた。
「もちろん応募してくれるなら報酬出します、なんとクオカード500円分!」と。

 

安くみられたものである。

俺のネーミング歴は学生時代に飼っていた2匹のハムスターに
「サンスウ」「コクゴ」という斬新な名前を付け、
”ネーミング界の異端児”として、
華々しくデビューしたことに始まり、
みんなが「次はどんな斬新なネーミングを考えるんだろう」と期待する中、
飼い始めた犬には「モモ」という平凡な名前を付けてしまうほど、
ネーミングのセンスにふり幅を持っている男である。

そんな俺にクオカード500円で名前考えて、応募してくんない?とは。
もはや怒りを通り越して呆れてしまった。
俺はもちろん、こう答えた。

 


「はい、500円くれるなら喜んでやります!」と。