ただのテレビの値引きの話

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会社の先輩の自宅のテレビが壊れたらしく
「新しいテレビを買うからついてこい」と暴力的な誘いを受けた。

某太陽マークの家電量販店に着き、テレビ売り場に行くと、
もとから欲しいテレビを決めていたようで、
すぐにお目当てのテレビの場所に向かった。

そのテレビの店頭価格は「7万円」であった。

 

ネットで調べた相場価格よりも少し高かったらしく、
先輩が店員に「いくらか値引きになりませんか?」と聞いたが
「うちも精一杯値引きさせていただいてますので・・・」と
なかなか交渉に応じてくれそうにないようだった。
先輩は何度かお願いをしたが、答えは「厳しいです」の一点張り。

 

これでは時間の無駄だ。

 

そこでついに”埼玉の値引き屋”の通り名をもつ、俺の出番だ。
俺は先輩の肩に手を置いて
「ふっ、ここは俺に任せてくださいよ」と目で合図を送った。
俺が出てきてしまっては、もはやこのお店も終わりだろう。
太陽マークも曇りだすレベルだ。

 

さっそく俺は値引きのプロ御用達アイテム・スマートフォン
サッと取り出し、価格.comのページを開くと、
「ここだとこんなに安いんですよう」
「他のところで買ってもいいのですよう」と店員をゆさぶった。
さすがの店員も”埼玉の値引き屋”の登場にタジタジようだ。

すると、店員が折れたのか
「・・・上の者に聞いて参りますので、お待ちいただけますか?」
と言って店の奥に消えていった。

 

勝った。

ついに俺は値引きに成功したのだ。
勝因をあげるならば、俺の抜群の可愛さだろう。
俺の値引きをお願いする顔があまりにも可愛かったに違いない。
男なんてチョロイものだ。


「多くて10000円、最低でも5000円は値引いてくれるんじゃないですか?」

俺は、先輩に自信満々にそう告げ、
店員の戻りを待ったが、待てども待てども店員は戻って来ず。
それから40分ほどが経ったくらいだろうか、
ハァハァと息を切らしながら、先ほどの店員が走って戻ってきて
俺たちにこう告げた。

「ハァハァ・・・なんと・・500円割引できました!!」

危うく、俺の岩をも砕く左ストレートが、
店員の顔面に炸裂するところであった。


結局、先輩は「他で購入します」と告げ、
某太陽マークのお店を後にしたのだった。