ただのパンツ研究家の話

「彼の考えは意味がわからない、次元が違う、神の領域だ」――。
様々な業界を20年以上ウォッチし続けてきたある業界関係者は、
日本唯一のパンツ研究家のtaka(28歳)をそう評価する。

2015年、「パンツは穿くだけのものだと考えていませんか?」との
驚きの発言と共に彗星の如くパンツ業界に現れたtaka。

「何を言っているんだ?」「バカなのではないか?」
「いや、これは革命が起きるぞ」「ついにパンツ業界のレインメーカーが現れた」と
現在、賛否両論を巻き起こしている彼の言動だが、
彼の発言の本当の真意とは、果たしてなんなのだろうか。
やはりここは本人に聞くのが一番いいだろうと考え、
私は決死の覚悟で彼の元を尋ねた、以下はその記録だ。


――2015年某日、
秋の風が心地よい清々しい天気の中、私はtakaの元を尋ねた。

「ピンポーン」

takaの自宅のチャイムを鳴らすと、
「はい、どうぞお待ちしていました」と、とてもパンツ研究家とは思えない、
高身長で、端正な顔立ち、さらには甘いボイスを持ち合わせた好青年が姿を現した。
実は彼は滅多にマスコミの前に姿を現すことをしないため、
その姿すら謎とされていたのだ。

唖然としていると「さあ、どうぞ」と自宅のリビングに通された。
リビングはとても広く、オシャレな家具や家電が置いてあり、
外見と同じく、ここでもまったくパンツ研究家とは思えなかった。
「本当に彼はパンツ研究家なのか?」と疑問に思ったが、
そんな疑問はすぐに解決することになるのであった。

彼は「どんな質問でもしてください、
これがパンツの未来に繋がるならなんでも答えます」と言い、
ドッシリと椅子に腰をすえた。

すごい自信だ。
インタビュー歴25年の大ベテランの私ですら、思わず身震いをしてしまった。
しかし、身震いをしている場合ではない、
これは一生に一度あるかないかのチャンスなのだ。
深呼吸をし、気持ちを落ち着かせると、私はさっそくインタビューを試みた。

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※画像はイメージです


――なぜ、パンツ研究家に


パンツと一言に言えば、それまでですが、
よく考えていただきたいんです、
パンツというのは水、空気と同じくらい
人には欠かせないものなんです。
僕はパンツには穿くだけではない、違う可能性を必ず秘めていると確信しています。
よくパンツというと、エロス、お下品、など決していいイメージはありません。
だからこそ、僕はパンツのイメージをガラリと変えたい、
世界中のみんなが恥ずかしがらずに「パンツ!」と口に出せるような、
そんな世界を作りたいと思い、パンドゥ研究家を目指しました。


――パンドゥ?パンツではなく?

 

ああ、失礼しました(笑)
ゴリラの学名が「ゴリラゴリラ」のように、
やはり研究するうえでは、パンツにも
学名が必要なのではないかと考え、
僕はパンツに「パンドゥ」という学名をつけました。


――パンドゥという意味は?

 

キャンドゥってご存知ですか?
そうです、100円ショップのキャンドゥ。
100円ショップは最初こそ「こんなもの流行るわけないだろう」と
思われていましたが、今や日本全国、世界にも出店しているほどです。
その代表格がキャンドゥと言っても過言ではないでしょう。
僕のパンツ研究も恐らく「こんなものやる意味がない」と思われているはずです、
しかし、僕はパンツにもキャンドゥのようになって、
世界中に羽ばたいて欲しい、評価を覆して欲しい、
そう願いを込め、パンツとキャンドゥと掛け合わせ「パンドゥ」と名づけました。

 

――なるほど、常人には考えつかない・・・

 

いいんですよ(笑)
僕はみんなが前を向いたら後ろを向く、右を向くなら左を向く、
そうやって人と違う視点で生きていますから。
みんながみんな同じ視点で動くことを強制してしまっている日本では
僕の考え方が理解されないのはわかっています。
僕の師匠であり、パンツ研究の第一人者であるパン・ツハイテルーノ博士も
「人に理解を求めるな、理解者だけを求めるんだ」
と口癖のように言っていました。


――ちなみにパンツ研究とはどのようなことを


そうですね、せっかく来てくれたのに申し訳ないのですが、
正直なところ今は話せないんですよ。
スポンサーから「研究のことは話すな」と言われているので。
近いうちになんらかの発表をするつもりですが、
この発表はパンツの常識が180度変わることなので、慎重に
発言の機会を考えているところです。


――それは残念です、しかし、なにか・・なにか言えることはないでしょうか?


まったく、欲しがりやですね(笑)
でも、あなたのような人は嫌いではありません。
本当はまだまだ研究段階でとてもお見せできるレベルには
達していない研究ですが、お見せしましょう。
ついてきてください。


――

takaはそう言うと家の外に私をつれだした。
そして「あれを見てください」と、
自宅の屋根の上を指差した。

恐る恐るその方向に目をやると、
驚くことに、屋根には特殊な機械と共に、
たくさんのパンツが並べられていた。
2000枚はあるだろうか。
「どういうことだ?」
私が困惑していると、彼はニヤリと笑い、こう言った。
「ソーラーですよ、パンツソーラー発電」
「僕はパンツから電気が作れるのではないかと考えています」

まったく驚くばかりだ。
”パンツは穿くだけのものだと考えていませんか?”
彼がパンツ業界に現れたときのこの発言は
まさにこういうことだったのだ。
パンツは穿くもの、という固定概念を壊すこの発想力、
takaは本当にパンツを変えるな、私はこの瞬間にそう確信した。

インタビューも終わり、帰り支度をしていると、
最後に彼は私にボソリと呟いた。

「僕のやっていることは、神様への挑戦状です」

まったく、すごい男がいたものだ。


今回のインタビューで私はパンツを見る目が変わった。
いつもは洗濯機で洗っていたが、今では一枚一枚丁寧に手洗いをしているほどだ。
現在、暗いニュースばかりが目立つ日本だが、
「日本の未来はまだまだ明るい」そう感じさせるtakaとの出会いだった。