今日はみんながいなかった話

部署の人達が新宿の某ビルで開催される研修に参加するために
みんなでかけてしまい、
今日1日、俺とバイトの女性の2人だけであった。

彼女は、一昔前の沢尻エリカを彷彿と
させるくらい常にイライラしており、
俺の顔を見るたびに「ちょっとツラ貸せや、おら」と
罵詈雑言を浴びせてくる血も涙もないとんでもないやつだ。

しかしながら、そんな彼女が
今日は何だか雰囲気がいつもと違い、黙り込んでいたので
「ははん、隙をみて俺を殺す気だな」と身構えていたら、
突然、エサを求める魚の如く、口をパクパクとさせ、
「なんかさー私・・全然モテなくて何年も彼氏いなくて、
今ならどんな男に付き合ってって言われたらすぐOKするわー」
と言い出した。

なるほど。
鈍感な男ならば何のことやらわからないだろうが、
「埼玉の火野正平」と呼ばれるほどプレイボーイの
俺はこの言葉を聞き、すべてを悟ってしまった。
これは遠まわしの告白だと。
まったく、言葉ベタな困った子猫ちゃんである。

「えっ、もしや俺のこと好・・・」

「takaくんとは絶対嫌だけどね、しね!」


その気にさせておいて、ひどい話だ。