髪の毛を切った話

髪の毛というものは、
放っておいても、すぐ伸びてしまうもので、
ついこの間まで、城田優であった俺も容姿も、
いつの間にやら森永卓郎へと再び戻ってしまっていた。

このままでは、ただでさえ寄って来ない女性達が
さらに寄ってこない恐れがあるため、
前回から通いだした1000円カットに再び行って来た。
ちなみに今回は福士蒼汰くんのようなイケメンにしてもらうつもりだ。

お店に着くと、エグザイルの偽物のようなイケイケの店長に
「今日は、どんな感じにします?」と聞かれたので
福士蒼汰くんのようにしてくれと伝えようと思ったが、
「いや、冗談は顔だけにしてくださいよ」と言われかねないので、
実際は「か、か、カッコよくしてください」と言うのが精一杯であった。
俺は小心者である。

そして、カットが始まった。

まるで羊の毛を刈るような勢いで
髪の毛をバッサバッサと切られること10分。
「こんな感じでいいすか?」と言われたので、
鏡を見ると、そこには髪の毛が短くなっただけの森永卓郎が映っていた。


はて、福士蒼汰くんには似ても似つかない姿だ。
確かに福士蒼汰くんにしてくれとは言っていないが、
森永卓郎を維持してくれとも言ってない。
俺は鏡に映る自分に精一杯の苦笑いをすることしかできなかった。

きっと何かの間違いに違いない。
わずかな希望を胸に、家に帰り、
改めて鏡を見たがやはりそこに映るのは森永卓郎であった。

福士蒼汰くんどころか城田優でもない、やはり卓郎だ!」

俺は心に深い傷を負った。
もはや、「私、卓郎でも構わないよ」という
心の優しい女性が現れるのを待つしかないのか!